現在、台風の影響で川根温泉笹間渡以北の運転を見合わせ、
(復旧資金とかその他諸々の事情で)復旧の気運すらなく、
代行となる川根本町のバスが半ば大井川本線の一部と化している
大井川鐵道大井川本線。
現在は、近鉄から譲渡された16000系1本(旧Y03)、
南海から譲渡された21000系ズームカー1本(1本は千頭で足止め)、
東急から十和田観光電鉄という経歴を持つ7200系2両が一般旅客輸送に徹しています。
ちなみに南海からは6000系1本が譲渡されているんですが、
こちらは営業運転開始の兆しが無く、それどころか、ここ最近銚子電鉄に譲渡された
2200系の方が早く営業運転入りしそうな気配さえします。いやそうなるでしょう。
これら旅客車両、登場から既に50年以上は経過しています。
南海に関しては既にここにしか残っていない一方、
近鉄に関しては2両編成2本が現在も定期運用に充当されていますが、
原型に関しては外見以外殆ど残っていません
(塗装は別として。ただし近鉄の汎用型特急車両の塗装として超有名と言っても良い
オレンジと紺色の組み合わせもここでしかもう見られない)。
というのも、近鉄特急の車両は製造当初デッキが設置されておらず、
座席と客用扉の仕切りという概念が存在しませんでした。
そしてデッキが設置されたのは現在運用中の2編成と、先日ダイヤ変更で
定期運用から撤退した4両編成1編成のみで、それ以外の車両は仕切りが無いままとなりました。
*12200系も後年の更新で設けられるまで存在しなかった。
製造当初からデッキが設置されたのは12400系が初めて。
そしてデッキの無い車両の内、近鉄に残り続けた2両編成3本は既に廃車。
また大井川鉄道に譲渡された2両編成3本のうち、2本は既に廃車されているため、
16003Fは近鉄特急で唯一、製造当初の面影を外装・内装ともに残す
「相当」貴重な鉄道遺産と化しました。
そしてこれらは現状、置き換える予定があるどころか、そもそも置き換わる前に
路線ごと吹っ飛んでもおかしくない状況に立たされています。
ストレートに言うと地域の輸送機関として殆ど機能していないに等しい状態です。
もっと言ってしまえば、現状地域輸送よりも観光輸送の方に全振りしている状況で、
金谷~新金谷間ですら、毎日運転の電車が上下合わせて手足の指で足りるくらいの
本数しかありません(何なら1時間に1本なんて夢のまた夢)。
観光列車の運転による集客力はあるんですが、それ以上に慢性的な赤字が
続いているため、地域輸送用に運転されている各駅停車は、ダイヤ改正ごとに減便されています。
*もう現状以上の減便は流石にないと思うが…。
ソシャゲ運営で例えるなら、一定額の課金ユーザーがいるにもかかわらず
慢性的な赤字でサービス終了寸前の状態がダラダラ続いているようなものです。
こんな現状で電車の置き換えが進められるかと言われれば、
厳しい以外の言葉を見つけられないと(個人的に)思う次第です。
今後も走り続けて欲しいと思うと同時に、
この鉄道会社自体の行く末がどうなるのか、気になるところですね。
今回の記事はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。
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