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(画像は違う編成ですが)まさかまさか、令和に入って足回りが
グレーな103を見かけることになるとは…いやはやJR西日本も恐ろしいものです。


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現在JR奈良線で運行中の103系は4両編成2本で、勢力こそ縮小したものの
未だに定期運用で京奈間の往復運用を普通に見る事ができる状況です。


この車両、元が通勤型であるがために最高速度は100㎞/h、
高速運転にはそれほど向いておらず
(とか言いながら常磐快速線や大和路線の快速で爆走していたこともありますが)、
基本は各駅停車に向いている車両です。


そして103系の製造初年は1964年で、既に登場から57年を迎えています。
しかしながら廃車が進んでいるのは事実で、現在奈良線で運行されている103系の
製造年を見てみると、

NS407編成…
クハ103-216-モハ102-614-モハ103-458ークハ103-215

で、両端のクハは1973年、
中間のモハユニットが1974年の製造、

NS409編成
クハ103-226ーモハ102-611ーモハ103-455-クハ103-225

で、こちらもNS407編成同様両端のクハが1973年、
中間のモハユニットは1974年の製造です。


車歴で言えば両端のクハは48年、中間のモハユニットも47年を迎えており、
確かに古いと言われれば古い。

しかしながらそれだけを見ていれば井の中の蛙大海を知らず。

これ以上に古い車両が関西地方の私鉄にはゴロゴロと転がっています。

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例えばこちら能勢電鉄1700系。

このうち川西能勢口方3両の製造年は1960年で、既に還暦を迎えています。

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他にも神戸電鉄1000系。1969年。70年に製造されたものが一部現役です。

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そして山陽3000系。

1967年に製造された一部車両がリニューアルされ、現在も定期運用で
使用されています。6000系の導入により数を減らしつつあり、こちら未更新車の
3030編成は今年の春まで復刻塗装を纏って運転されるとのこと。



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地方私鉄だけでなく、大手私鉄にも103よりも明らかに年数を重ねている車両が
数多く存在します。

近鉄では2410系。1968年から73年にかけて製造された車両で、制御車1両、
検測車に改造された2両1編成を除き全て現役です。


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これら以外にも名古屋線の1000系、南大阪線の6020系、そしてJR奈良線と並行する
京都線や奈良線で運用される8000系の一部車両も103系よりも製造から年月が
経っています。


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旧型車両の置き換えが進んでいるイメージのある京阪電車でも、
2200・2400に加え、改造により改番された2600・1000の計4形式は
それぞれ103系よりも古い車籍を持ちます。


2200系は1965年に製造されたものが、
2400系は69年から70年にかけて製造された42両全てが、
2600系は1959年に製造された2000系の車体を流用した0番台が
現在に至るまで使用されており、実際に2000系の1次車の一部が
現役で運用されています。

1000系は製造年だけ見れば1977年ですが、実際はこちらも昇圧前に
製造された700系がその出自で、1967年から70年にかけて製造された車体が
ほぼそのまま使用されています。



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阪急でも50年選手が数形式存在します。
特に3300系は1967年に製造された一部の車両が8両編成を組んで
大阪メトロ堺筋線に現在でも直通運転に充当されており、

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かの105系も真っ青になるレベルで活躍が続いています。

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南海は言わずもがな。

1962年が製造初年の6000系は、8300系の導入などによりその数を
減らしつつあるものの、同年製造の6001Fなどは現在も定期運用に
使用されており、このまま6001Fが廃車されなければ、来年の12月25日で
車体はおろか足回りの大半ですら登場から60年を迎えることとなります。


車体だけ、或いは足回りの一部を流用してそれらが60年以上も使用されることは
大手私鉄でもよくありますが、この車両は冷房改造時に交換された台車を除けば、
登場時からその形態を保ったまま60年を迎えることとなります。



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103系や105系等、登場から年数が経過している車両が多いイメージを
JR西日本に対して持つ方は少なくないでしょう。


しかし私鉄の例を見る限りでは、車両更新を進めているのは
寧ろJRの方ではないのか、という考え方が得られるのではないでしょうか。

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