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今年のプロ野球は阪神タイガースがセントラルリーグを、
オリックスバファローズがパシフィックリーグを制し、
両者との日本シリーズも7戦までもつれ、最終的には4勝3敗で阪神タイガースが制しました。

https://twitter.com/EXP_ue_6520/status/1721873484136259638

それに絡んでこのようなポストをしました。
今回はそこから発想を得たものになります。

大阪府を中心とする関西圏には、現在まで活動している阪神タイガースを含め、
電鉄系のプロ野球チームが4チームありました。

阪神→阪神タイガース
阪急→阪急ブレーブス
近鉄→近鉄バファローズ
南海→南海ホークス

それぞれ優勝又は日本一を飾ったこともあります。

今回は、それらの親会社において運用されている車両の内、
それぞれのチームがリーグ優勝又は日本一を知る世代が、
現在においてもどれだけ現役を続けているのかについて纏めたものになります。
*旅客用車両のみを対象とします(団体専用車両は対象)。
また、譲渡車両については集計外とします。

なお、其々の車両については、基本登場年を基準としていますので、
編成によってはリーグ優勝又は日本一の後に登場している車両も計算に入っているかも
知れませんが、悪しからず。



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まずは阪神電鉄。

今年以前のリーグ優勝は1937・1938・1944・1947・1962・1964・1985・2003・2005年で、
日本一は1985年に経験があります。


現在運用されている最古の車両は2代目の5001形で、登場したのは1977年となります。
その為、それ以前のリーグ優勝は省略し、1985年時点から計算していきます。

とはいっても阪神電鉄はここ最近、車両の新陳代謝が激しく、
こちらの5001形は廃車が進んでいます。2026年に引退する見込みです。
また、阪神・淡路大震災の影響をもろに受けたため
(1985年ごろに製造された車両も例外なく廃車となった車両が発生した)、
その代替新製が1995年以降に行われたこともあり、1985年を知る車両はごく僅かです。



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1985年リーグ優勝&日本一を知る世代は以下の21両です。

5001形4R×3本(現在運用していない5001Fは集計外)=12両
8000系9両
8523F神戸三宮方3両
8211F(6両)


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2003年・2005年のリーグ優勝は同時に集計します。
(両期間に新規製造された車両が無いため)

阪神・淡路大震災の代替新造や、旧型車両の置き換えなどが1995年以降
急ピッチで行われたこともあり、2003年・2005年のリーグ優勝を知る世代は
かなり多いです。

1985年時点での21両を加えて、210両が2003・2005年のリーグ優勝を知る世代となります。

5500系:全車両(36両)
8000系:105両(1985年の日本一以降に登場した車両を含む)
9000系:全車両(30両)
9300系:全車両(18両)


逆にこれらを今まで知らなかったのは、
5550系(4両)
5700系(44両)
1000系(96両)

の計144両でした。今年のリーグ優勝および日本一を経験したことで、
それらを知らない世代は「今のところ」0となりました。


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続いて南海電気鉄道です。

南海電気鉄道では、1947年から1988年にかけて、現在の福岡ソフトバンクホークスの
前身にあたる南海ホークスを有しており、リーグ優勝・日本一を何度か達成しています。

リーグ優勝は1948・1951・1952・1953・1955・1959・1961・1964・1965・1966・1973年、
日本一は1959・1964年となります。


現在南海で使用されている車両で最も最古なものが1962年製造となりますので、
それ以前のものは省略します。また、1973年以降に登場した車両は全て日本一もリーグ優勝も
知らない世代ですので、そっちを集計するのは今回差し控えます(単純に面倒)。

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まずは1964年のリーグ優勝・日本一から。

6000系のうち、1・2次車の12両が該当しますが、
画像の6003Fのほか、6005F・6007Fが既に運用を撤退しています。
その為、総数としては僅か3両(6001F)となります。


1965年のリーグ優勝はどうでしょうか?と言いたいんですが、
何とこちらも同じで、6001Fの3両のみがそれを知る世代となります。
逆にその時期から今まで元気なのが恐ろしい。


1966年も同様のようです。
(何れも同年代の車両が数年前まで存在していた。何なら大井川に譲渡された2両はこの世代)


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1973年のリーグ優勝まで下ると、流石にそれを知る世代は多くなります。

現在も南海電気鉄道に所属している車両に限定すると、
少なくとも163両が、
譲渡された車両を含めると177両が該当します。


6000系…少なくとも21両(それ以前の世代を含めると24両?)
6001F組み込み1両(6819→6602)
6023F(4両)
2両×8=16両?


6300系…68両

7100系…64両
4両×10=40両
2両×10=20両


2200系・2230系…10両
(和歌山電鐵に譲渡以前から貴志川線に所属していた2270系を含めると22両)
(銚子電気鉄道への譲渡まで入れると24両)


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因みに大井川鐡道には、かつて南海で運用されていた初代ズームカー2両が
現在も運用されており、それが1958年製造なので、それを含めてしまうと
何と1959年のリーグ優勝を知る世代まで遡ることができます。
*もう2両は確か千頭で身動き取れない状況になってて、ほとんど放置プレイだったような。

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続いて阪急電鉄です。
現在のオリックスバファローズの前身にあたる阪急ブレーブスを、
1947年から1988年にかけて保有していました。

リーグ優勝を1967・1968・1969・1971・1972・1975・1976・1977・1978・1984年に、
日本一を1975・1976・1977年に達成しています。

現在運用されている最古参の車両が恐らく1968年2月落成の5002Fの5両になりますので、
それを基準に集計します。

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まずは1968年のリーグ優勝です。

5000系の一部が更新工事を受けながらも、現在まで運用されています。

5000系
5002F5572・5521・5541を除く3両
5004・5006・5008・5010F(24両)


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続いて1969年のリーグ優勝。

先ほどの5000系24両に加え、3300系の7両4本計28両の計52両が該当します。



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続いて1971年のリーグ優勝

こちらは5100系の内、
5104Fの内5126・5145を除く6両、
5106Fの内5116・5117を除く6両、
5128Fの内5140・5770・5121の3両、
5132Fの内5674の計16両

現在休車となっている5102F5102を含めると、17両が該当します。


既存の52両を含めて、68両(69両)にまで増えました。



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1972年はどうでしょう?

この時に5300系が登場しています。

先ほどの68両に加え、

5100系
5104Fの内5126・5145
5106Fの内5116・5117
5128Fの内5683・5140・5770・5121を除く4両の計8両

5300系
5300Fの内5870を除く6両
5301Fの内5881を除く6両
5317Fの内5800・5900の計14両

計22両が其々計算の対象となります。

なお、休車中の5100系5131を入れると23両となります。

これで90両(91両)になりました。

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1975年のリーグ優勝・日本一を知る世代はどうでしょうか?

この時期に、在阪私鉄では初となるワンハンドルマスコンを搭載した2200系が登場します。
2200系は現在6000系または7000系に編入された車両の一部が、現在でも活躍しています。
しかしながらツーハンドル車も並行して製造されており、5300系はこの年以降も先頭車両の
新規製造がありました。

5100系
5132Fの内5674を除く3両
5134F4両の計7両

6000系の内旧2200系にあたる、以下の6両
6760・6761・6770・6762・6771・6772

7000系の内旧2200系にあたる、以下の2両
7090・7190

5300系

7連
5301Fのうち5881
5302F
5308Fの内5893を除く6両
5311F
5315Fの内5865
5319Fの内5856
5321Fの内5866・5853・5862

8連
5304Fの内5805・5905を除く6両
5313Fの内5804・5904を除く6両
5323Fの内5883・5857・5867
5324Fの内5858・5868・5874

計44両

以上59両が追加されます。

いよいよ100両を超えました(149<150>両)。



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1976年になると、2200系を受けて増備が始まった6000系の製造が始まります。
阪急ブレーブスはこの年を含め、3年連続リーグ優勝・日本一を飾りました。


6000系…14両
6000Fの内6560・6570
6001F(4両)
6007Fの内6690・6590
6010F・6020F(各3両)

6300系…8両
6351・6352F(各4両)

5300系
5315Fの内5806・5906・5865を除く4両

1976年は26両が新たに加わりました。(175<176>両)


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1977年になると、いよいよ6000系の製造が本格化する一方、
ツーハンドル車は5300系の製造がまだ細々と続けられていました。


6000系…27両

6000Fの内6560・6570・6614をのぞく5両
6011Fの内6761・6771をのぞく6両
6012F(4両)
6013F(8両)
6021Fの内6567をのぞく2両
6022Fの内6587をのぞく2両
6023Fの内6557をのぞく2両


6300系…4両
6353F

5300系…6両
5317Fの内5421・5322・5800・5900をのぞく4両
5321Fの内5417・5318

計38両の追加(213両<214両>)



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1978年は日本一こそ逃しましたが、リーグ優勝を成し遂げ、見事4連覇を果たしました。
6000系・6300系の製造がこの年にも行われています。
*6300系は同年製造以降は全て廃車

6000系…24両
6000Fの内6614
6003F(8両)
6014Fの内6760をのぞく3両
6015Fの内6762・6772をのぞく6両
6024F(4両)
6025Fの内6686をのぞく2両

5300系…6両
5300Fの内5870
5319Fの内5856・5890をのぞく5両


以上30両の追加。(244両<245両>)

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最後に1984年のリーグ優勝を知る世代です。
この時点でツーハンドル車の製造は(追加製造を除けば)既に終了しており、
7000系や7300系の製造が盛んにおこなわれていました。
また、前回のリーグ優勝から少しブランクがあったため、
その間に登場した車両数も多くなっています。

5300系…20両
5304Fの内5805・5905
5308Fの内5893
5313Fの内5804・5904
5315Fの内5806・5906
5317Fの内5421・5322
5319Fの内5890
5321Fの内5321・5422
5323Fの内5883・5857・5867をのぞく4両
5324Fの内5858・5868・5874をのぞく4両

休車中の5809を含めて21両となります。


6000系…42両
6004F(4両)
6005F(8両)
6006F(8両)
6007Fの内6770・6690・6590をのぞく5両
6008F(8両)
6021Fの内6567
6022Fの内6587
6023Fの内6557
6025Fの内6686
6016F(2両)
6026F(3両)


7000系…102両(104両)

8両
7000F
7002F
7007F
7008F
7009F
7010F
7011F
7020F
7021F
7017Fの内7553・7583

6両
7001F
7003F
7004F
7005Fの内7090・7190をのぞく4両
7006F


休車
7554・7584

7300系…39両(40両)
7300Fの内7300
7301Fの内7301
7302Fの内7302
7303F(8両)
7304F(8両)
7305F(8両)
7320Fの内7320をのぞく7両
7321Fの内7321をのぞく5両

休車
7851

以上203両(207両)が対象となります。
滅茶苦茶多い。(447両<452両>)

既に廃車された車両のことを考えるとこの数はさらに嵩むでしょう。


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なお、能勢電鉄に譲渡された車両の内1700系は、
1960年に製造が開始された阪急2000系が種車となっており、
現在最古参の1755Fの内1785をのぞく3両は1962年に製造されていますので、
こちらは1967年のリーグ優勝をも知っている世代となります。

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ラスボスは近鉄です。

近鉄は近鉄バファローズおよび大阪近鉄バファローズ時代の
1979・1980・1989・2001年の計4回リーグ優勝を果たしています。
そしてよりにもよって車両の新陳代謝という概念がそもそもないのか、
この時期以前から現役の車両が多数存在します。なんでや。


という事で纏めていきます。

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1979年

現在のビスタEXが新車として登場して1年が経つころ、
近鉄バファローズが初めてリーグ優勝を飾りました。
この時に登場した特急型車両が未だに1両の廃車も発生させずに
現役って恐ろしくないですか????

1000系…9両
3両編成3本

1010系…12両
3両編成4本

1810系…6両
2両編成2本
サ1876・1877(2430系組み込み)

2000系…33両
3両編成11本

2013系…3両
3両編成1本

2410系…46両
2両編成18本
4両編成2本
ク2592・2593

2430系…47両
2両編成4本
3両編成7本
4両編成4本
モ2461・2462

2444系…6両
3両編成2本

2610系…68両
4両編成17本

2800系…59両
1979年11月が最終増備(2817F)で、この時期に日本シリーズが終わっていれば55両?
2両編成2本
3両編成5本
4両編成10本

8000系…28両
4両編成7本

8400系…42両
3両編成6本
4両編成6本

8600系…8621・8622Fの増備のタイミングにもよるが78~86両に収まる(ここでは86とする)
4両編成20本
6両編成1本

6020系…86両
3両編成18本
4両編成8本

6200系…35両

3両編成5本
4両編成5本

16200系…3両
3両編成1本

12400系…12両
4両編成3本

30000系…52両
4両編成13本

16000系…8両
2両編成2本
4両編成1本

15200系…10両
2両編成2本
4両編成2本

15400系…4両
2両編成2本

19200系…4両
4両編成1本

この時点で既に669両と、頭の痛くなるような数字ですね。
どんだけ新陳代謝してないんだよと言いたい。


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1980年

この時期においても見られる車体はこういうのばっかり。
既存車両の廃車を進めた関係なのかどうかは知りませんが、
この年の製造数はそこまで多くなかったようです。
*廃車となったが、8000系の中間電動車がこの年に製造されていた。

8800系…8両
4両編成2本

12410系…12両?
3両編成4本(1981年製造の12415Fを除き、登場当初は3両編成だった。)

30000系…4両
4両編成1本


693両に増えました。

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1989年

一般車両の抵抗制御車の製造が終了し、既にVVVF車の増備が
本格的に進められていた時期です。この年以前のVVVF車の車体は、
阪神に直通している1252系等と比較して若干幅広でした(統一規格になってなかった)。

また、この間に界磁チョッパ制御車の導入が行われています。
ただこれらの製造期間は短く、1989年時点では既に製造終了しています。


1400系…16両
4両編成4本

1201系…20両
2両編成10本

1200系…4両
伊勢方4両(2編成あり、各2両組み込み)

2050系…6両
3両編成2本

8810系…32両
4両編成8本

9000系…16両
2両編成8本

9200系…12両
3両編成4本(サ9310形の製造は1991年)

6600系…8両
2両編成4本

1220系…6両
2両編成3本

1230系…4両
2両編成2本

1233系…8両
2両編成4本

1420系…2両
2両編成1本

1422系…14両
2両編成7本

5200系…20両
4両編成5本

3200系…42両
6両編成7本

7000系…54両
6両編成9本

6400系…12両
2両編成6本

6407系…12両
2両編成6本

12410系…8両
4両編成1本
サ12560形4両

12600系…8両
4両編成2本

30000系…4両
4両編成1本

21000系…42両
2両編成3本
4両編成3本
6両編成4本

16010系…2両
2両編成1本


合計332両、それまでのものを合わせると1025両で、
もう4桁突入しました。

車両の新陳代謝という概念が殆ど無いのか(大阪線や名古屋線など、
新車の導入が近年停滞している路線も)、
この時期、それ以前に登場した車両が平然と100㎞越えの運用に就いています。


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最後は2001年です。
確かこの年のリーグ優勝を決めた試合に北川2軍打撃コーチ(阪神)が
出場して、ホームラン打ったんでしたっけ?

この期間にVVVF車が相当数増備されました。
また、1999年以降シリーズ21の製造が始まり、その一部がこの年のリーグ優勝を知る世代に
含まれています。

1233系…20両
2両編成10本

1240系…2両
2両編成1本(元々1233系として製造)

1249系…6両
2両編成3本

1252系…26両
2両編成13本

1253系…12両
2両編成6本

1254系…2両
2両編成1本

1259系…12両
2両編成6本(元々1253系として製造)

1430系…8両
2両編成4本

1435系…2両
2両編成1本

1436系…2両
2両編成1本

1437系…12両
2両編成6本

1440系…6両
2両編成3本(元々1437系として製造)

1021系…20両
4両編成5本

1026系…28両
4両編成1本
6両編成4本

1031系…16両
4両編成4本(元々1026系として製造)

1620系…26両
4両編成5本
6両編成1本

5200系…12両
4両編成3本

5209系…8両
4両編成2本

5211系…12両
4両編成3本

5800系…46両
4両編成1本
6両編成7本

5820系…30両
6両編成5本

3220系…18両
6両編成3本

9020系…10両
2両編成5本

6413系…12両
2両編成6本

6419系…6両
2両編成3本

6422系…4両
2両編成2本

6432系…20両
2両編成10本(元々6422系として製造)

6620系…28両
4両編成7本

21000系…30両
6両編成4本
2両編成3本(UL01~03の中間車と入れ替え。脱車されたユニットは中間車化改造)

22000系…86両
2両編成13本
4両編成15本

23000系…36両
6両編成6本

16400系…4両
2両編成2本

26000系…8両
4両編成2本

20000系…4両
4両編成1本

計574両

それまでの合計を合わせると累計1599両。



最後の近鉄は組成変更が殆ど無い(阪急のツーハンドル車ほど極端ではないの意)こともあり、
殆ど流れ作業的にやってたような気がします。


今回の企画はこれにて以上となります。
最後までご覧いただいた皆様方、お疲れさまでした。


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(画像は違う編成ですが)まさかまさか、令和に入って足回りが
グレーな103を見かけることになるとは…いやはやJR西日本も恐ろしいものです。


IMG_5363

現在JR奈良線で運行中の103系は4両編成2本で、勢力こそ縮小したものの
未だに定期運用で京奈間の往復運用を普通に見る事ができる状況です。


この車両、元が通勤型であるがために最高速度は100㎞/h、
高速運転にはそれほど向いておらず
(とか言いながら常磐快速線や大和路線の快速で爆走していたこともありますが)、
基本は各駅停車に向いている車両です。


そして103系の製造初年は1964年で、既に登場から57年を迎えています。
しかしながら廃車が進んでいるのは事実で、現在奈良線で運行されている103系の
製造年を見てみると、

NS407編成…
クハ103-216-モハ102-614-モハ103-458ークハ103-215

で、両端のクハは1973年、
中間のモハユニットが1974年の製造、

NS409編成
クハ103-226ーモハ102-611ーモハ103-455-クハ103-225

で、こちらもNS407編成同様両端のクハが1973年、
中間のモハユニットは1974年の製造です。


車歴で言えば両端のクハは48年、中間のモハユニットも47年を迎えており、
確かに古いと言われれば古い。

しかしながらそれだけを見ていれば井の中の蛙大海を知らず。

これ以上に古い車両が関西地方の私鉄にはゴロゴロと転がっています。

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例えばこちら能勢電鉄1700系。

このうち川西能勢口方3両の製造年は1960年で、既に還暦を迎えています。

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他にも神戸電鉄1000系。1969年。70年に製造されたものが一部現役です。

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そして山陽3000系。

1967年に製造された一部車両がリニューアルされ、現在も定期運用で
使用されています。6000系の導入により数を減らしつつあり、こちら未更新車の
3030編成は今年の春まで復刻塗装を纏って運転されるとのこと。



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地方私鉄だけでなく、大手私鉄にも103よりも明らかに年数を重ねている車両が
数多く存在します。

近鉄では2410系。1968年から73年にかけて製造された車両で、制御車1両、
検測車に改造された2両1編成を除き全て現役です。


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これら以外にも名古屋線の1000系、南大阪線の6020系、そしてJR奈良線と並行する
京都線や奈良線で運用される8000系の一部車両も103系よりも製造から年月が
経っています。


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旧型車両の置き換えが進んでいるイメージのある京阪電車でも、
2200・2400に加え、改造により改番された2600・1000の計4形式は
それぞれ103系よりも古い車籍を持ちます。


2200系は1965年に製造されたものが、
2400系は69年から70年にかけて製造された42両全てが、
2600系は1959年に製造された2000系の車体を流用した0番台が
現在に至るまで使用されており、実際に2000系の1次車の一部が
現役で運用されています。

1000系は製造年だけ見れば1977年ですが、実際はこちらも昇圧前に
製造された700系がその出自で、1967年から70年にかけて製造された車体が
ほぼそのまま使用されています。



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阪急でも50年選手が数形式存在します。
特に3300系は1967年に製造された一部の車両が8両編成を組んで
大阪メトロ堺筋線に現在でも直通運転に充当されており、

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かの105系も真っ青になるレベルで活躍が続いています。

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南海は言わずもがな。

1962年が製造初年の6000系は、8300系の導入などによりその数を
減らしつつあるものの、同年製造の6001Fなどは現在も定期運用に
使用されており、このまま6001Fが廃車されなければ、来年の12月25日で
車体はおろか足回りの大半ですら登場から60年を迎えることとなります。


車体だけ、或いは足回りの一部を流用してそれらが60年以上も使用されることは
大手私鉄でもよくありますが、この車両は冷房改造時に交換された台車を除けば、
登場時からその形態を保ったまま60年を迎えることとなります。



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103系や105系等、登場から年数が経過している車両が多いイメージを
JR西日本に対して持つ方は少なくないでしょう。


しかし私鉄の例を見る限りでは、車両更新を進めているのは
寧ろJRの方ではないのか、という考え方が得られるのではないでしょうか。

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三連休最終日の11月23日、阪急神戸本線六甲駅西側で、
サイドブレーキの引き忘れ(と考えられている。まだ確定ではない)により無人で坂を
下ってきた自動車と特急が衝突。

当該車両(8000系8000F)の進行方向1両目、8000号車が脱線し、
また自動車を巻き込んだことで信号設備が破壊されたことから、
事故現場を含む夙川~新開地間が翌日の午前中まで、運転見合わせを
余儀なくされました。

12月中に検査のため運用離脱が公式に発表されていた復刻装飾の車両が
事故に巻き込まれたことで、巷では大きな騒ぎになりました。



また翌日は平日だったこともあり、通勤・通学客への影響が容易に想定されました。

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事故直後からJR及び阪神電車が振り替え輸送にあたることとなりました。




ところが翌日の朝ラッシュの真っただ中にJR線で輸送障害が発生し、
また阪急もこの時点で夙川以西は不通であったため、阪神間輸送が大混乱に陥りました。


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唯一輸送障害が発生しなかった阪神電車が阪神間輸送の維持に貢献しました。

まず実施したものとして…

・快速急行の今津駅臨時停車
・新開地駅への普通車延長運転




これによって

・新開地へ向かう電車が一定数確保された
・西宮から三宮方面への輸送手段が一時的に増強された

という効果がありました。


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まず、今津に何故快速急行を停車させたのか。

今津駅には阪神と阪急の路線があり、
うち阪急の路線は西宮北口を結ぶ路線です。

この路線が機能したことで西宮北口から西側への輸送手段の断絶が
回避されました。それでも、この路線で運転される車両が3両編成で
あったがために、一定数の積み残しは回避できなかったようです。



また、今津駅に快速急行が停車するのは平日の日中、土休日に限られ、
それ以外の時間帯で停車するのは普通車・区間急行・急行・区間特急に限られます。

しかも区間急行・区間特急は平日で梅田行きのみ、急行は基本西宮止まりの為、
西宮よりも西へ行く電車は普通車以外設定されていません。


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勿論普通車は西宮で直通特急ないし特急に連絡するのですが、普通車で運転される
車両は全て4両編成の為、阪急からの乗客全てを普通車に依存した場合、積み残しはおろか
混雑による遅延が容易に予想されます。


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そこで、一部近鉄車が充当される快速急行を今津に臨時停車させることで、
三宮方面への輸送需要の分散を図ったというのが管理人の見方です。


この3路線は競合関係にあり、通る場所も殆ど同じという特徴があります。
阪神間の到達が最も短時間なのがJRということもあり、競争はJRが優位に
立っている状態ですが、阪急・阪神は高頻度運転や地域間輸送の強化で
対抗しています。


またどこかで輸送障害発生した時に、それ以外の路線で輸送を補うということが
容易な区間ではありますが、2社が同時に輸送障害に巻き込まれたことで、
その輸送機能の維持が危ぶまれました。


もし3者とも輸送障害が発生していた時のことを考えると、
本当にろくなことがありません。


都市間輸送においては、2社以上の並行路線の存在がいかに重要であるか、
改めて考えさせられた次第です。




それでは今回はここまで。

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